「トライ」市議会だより 【平成28年8月発行】 No.70
明るい美しい国日本
協調・実践を政治の中心として
~郷土のお役に立たせて頂くために~
日増しに暑さがつのりますが、皆様お元気でお過ごしのことと存じます。
7月に入り、富士山など全国各地で山開きの便りが聞かれるようになりました。かつて山開きは山に宿る神の力を身につける修行期間の始まりを告げるものでしたが、最近では安全に登山できるシーズンの開幕を告げる意味合いが強くなっています。
さて、4月14日、熊本地震が発生し、震災関連死と認定された方を含め50人以上の方が亡くなられ、未だ一人の安否が確認できていません。亡くなられた方のご冥福をお祈り申し上げますとともに、被災された方やそのご家族の皆様に心からお見舞いを申し上げます。
平成元年以降、我が国では、『震度(私たちの生活している場所での揺れの強さ)7』以上の大地震が、平成7年の阪神淡路大震災、平成16年の新潟県中越地震、平成23年の東日本大震災、そして今回の熊本地震と4回発生しており、大地震の発生間隔は9年、7年、5年と短くなっています。また、7月には国の地震調査委員会が、中国五県と四国の島嶼部を含む地域のどこかで、30年以内に新潟県中越地震以上のエネルギーを持った大地震が50%の確率で起きるという予測を発表しました。防災は最悪のさらに最悪を考えた事前の備えが大切で、過去の経験やルールにとらわれることなく、新たな知識や知恵を総動員し、人命や地域を守る対策を打っていかなければなりません。
5月27日、オバマ米国大統領は現職の米国大統領として初めて、原爆を投下した広島を訪問し、平和記念公園の原爆死没者慰霊碑に献花しました。献花後の演説の中で、オバマ大統領は『亡くなったすべての被爆者を追悼するとともに、こうした苦しみが再び起きないように、核兵器が完全に廃絶される世界を、勇気をもって追求しなければならない。我々が選択できる未来では、広島と長崎は核戦争の夜明けとしてではなく、私たちの道義的な目覚めの始まりとして知られることになる。』と述べ、核兵器廃絶の決意を確認することができました。
6月22日、参議院選挙が公示されました。選挙の結果、自民党は今回の選挙における改選議席(121)のうち55議席を獲得させていただきました。皆様のご支援に厚くお礼を申し上げます。今回の選挙では安倍内閣が3年半続けてきた経済政策「アベノミクス」の是非が最大の争点でありましたが、今回の国民の皆様の審判を踏まえ、安倍内閣は道半ばである経済政策の成果を、国民の多くが生活の中で実感できるものにしていかなければなりません。併せて、日本の国をどんな国にしたいのか、どんな暮らしを目指していくのか、こまで以上に丁寧に国民の皆様に説明し、国民的合意を形成していく必要があります。
まもなく広島は8月6日を迎えます。71年前、一発の原子爆弾が何万という罪なき市民の尊い命を奪い、その年のうちに14万人の方が亡くなりました。人類史上、初めて核兵器が使用されたあの日から長い歳月が流れ、今年3月末時点で、被爆者健康手帳を持つ被爆者は17万4,080人となり、平均年齢は80.86歳となりました。あと数十年もすれば戦争経験者はいなくなり、核兵器のもたらす惨状の風化は一層進みます。私たちは、世界で唯一の被爆国として、核兵器の非人道性を訴え、『核兵器の廃絶』と『永遠の平和』の実現を全世界に発信していかなければなりません。今年6月に開かれた広島市議会においても、市議会として引き続き長崎市議会と力を合わせ、世界各国の政治を行なっている人に被爆地訪問を働きかけ、被爆の実相を伝える努力を続けていくことを決議しました。
8月は、私たち日本人にとって、「古きを温(たず)ねて新しきを知る」大切な節目です。私たちは、先の大戦において沖縄戦が終結した6月23日、広島に原爆が投下された8月6日、長崎に原爆が投下された8月9日、終戦の日の8月15日、この4つの日を忘れてはなりません。先の大戦で、祖国の行く末を案じ、家族の幸せを願いつつ、戦陣に散り、戦禍に倒れた多くの方々の御霊の永遠に安らかなることをお祈り申し上げます。
「祈られて、祈り捧げて、祈り継ぐ」私たちは父母やそのまた父母から見守られ、今日の今を生かさせていただいていることに感謝し、手を合わせます。こうした祈りは私たちの子や孫にもしっかりと引き継いでいかなければなりません。
これからも市民の皆様と共に、住みよい安芸区、元気で魅力ある広島市づくりに全力で取り組んで参ります。皆様のご指導ご支援をよろしくお願い申し上げます。
(この文章は7月11日に作成したものです。)
広島市議会議員 熊本憲三