「トライ」市議会だより 【平成26年7月発行】 No.66
明るい美しい国日本
平成・明和を政治の中心として
~郷土のお役に立たせて頂くために~
吹く風、風の音にふるさとを思い起こす季節となりました。皆様におかれましてはお元気でお過ごしのこととお喜び申し上げます。
この度、私は、お蔭様で、市議会議員在職20年を迎えさせていただくことができました。改めて、これまで頂戴しています皆様の温かいご支援に対しまして、心より感謝申し上げます。また、 昨日、7月12日の20周年記念祝賀会には、公私ともにご多忙の中、多くの皆様にお集まりいただきました。重ねて御礼申し上げます。
7月4日、高円宮典子女王殿下と千家国麿様(出雲大社禰宜)の「納采の儀」が厳かに行われ、国中に新しい風が吹き渡る慶事となりました。神話の時代からゆかりのある皇室と千家家が、遥かなる時を経て幸栄の御神縁に結ばれましたことを心からお祝い申し上げます。
さて、千年に一度と言われる東日本大震災から3年4カ月になります。岩手県と宮城県では震災がれきの処理は終了しましたが、福島県のがれき処理は原発事故で立ち入りが制限されている区域を中心に作業が大幅に遅れています。 また、放射性物質に汚染された廃棄物の最終処分場や福島県内の中間貯蔵施設のめどは立っていません。特に、福島県では原発事故による放射線量の高い地域があることから、現在でも約12万人の方々が避難生活を余儀なくされています。闇を照らす一点の光があれば、人は今の辛さに耐え、勇気を出して前に進んでいくことができます。国は前面に立って、放射性物質の科学的な知見を踏まえ、一日も早く故郷に戻っていただけるよう、除染や健康不安対策等を進めていなければなりません。
6月下旬、安倍内閣は、日本経済の目指す将来像を定めた「骨太方針(経済財政運営と改革の基本方針)」、この骨太方針の実現方法を具体的に描いた「新たな成長戦略(改訂版の日本再興戦略)」、「規制改革実施計画」を決定しました。わが国の経済は、企業の収益、雇用の拡大、所得の上昇、消費の増加という好循環がようやく視野に入ってきたとの見方もありますが、肝心なことは今回決定した成長戦略を着実に実行し、景気回復の実感が全国津々浦々に及ぶよう経済の好循環につなげていくことです。
一方、今のわが国では人口減と高齢化が同時進行しており、膨らみ続ける医療・介護・年金などの社会保障費を将来にわたって安心できる制度にしていくことが重要な課題になっています。このため、骨太方針の中に、経済発展に資する歳出予算の重点化等による財政再建や人口減対策に取り組むことを掲げました。今年4月からの消費税率引き上げによる税収は、全額、社会保障の充実・安定化に充てられますが、歳出の削減・抑制の努力がなければ、いくら税収が増えても歳出が減らず、財政再建は逃げ水のように遠のいてしまいます。
また、6月には、明治5年、今から約140年前になりますが、政府が近代化のために設置した日本最初の官営製糸工場とその関連施設である「富岡製糸場と絹産業遺産群」(群馬県)が、世界の産業史や文明交流史のうえで大きな役割を果たした点が認められ、「富士山」に次いで世界文化遺産に登録されました。「美しい国日本」の歴史を学ぶ産業遺産として、次世代に引き継いでいく必要があります。
こうした中、6月19日から7月1日までの会期で広島市議会の定例会が開かれ、審議の結果、市の活性化に向けた予算案など26の議案を承認しました。なお、市民の多くの方が関心を持ち、期待を寄せている旧市民球場跡地の活用につきましては、サッカー専用スタジアムの適地等を議論している協議会の動向や市民の皆様のご意見等を踏まえて、慎重の上にも慎重に検討を行い、歴史の評価に耐え得る結論を出していく必要があると考えます。
今年もまもなく8月6日を迎えます。原爆により心ならずもお亡くなりになられた数多くの御霊のご冥福を心からお祈り申し上げます。戦後69年が経過し、今年3月末時点で、被爆者健康手帳を持つ方は初めて20万人を割り、最多時のほぼ半数になりました。戦争体験の記憶が歳月とともに失われつつありますが、現在私たちが享受している平和と繁栄は、祖国を思い、家族を案じつつ、戦陣に散り、戦禍に倒れた多くの方々の尊い犠牲の上にあることを深く胸に刻み込み、子々孫々に伝えていかなければなりません。また、近年、国際社会は大きく変化していますが、力や威嚇による領土、海洋に関する権利の主張は絶対に認められません。私たちは、普遍的に認められた国際法に基づき紛争の平和的解決を追求していくことを正義とし、恒久平和の実現に向けて、最大限の関与と貢献をしていかなければなりません。
終わりに、これからも、住みよい元気な広島市づくりに取り組んで参りますので、皆様のより一層のご指導、ご支援をお願い申し上げます。
(この文章は7月13日に作成したものです。)
広島市議会副議長 熊本憲三