熊本憲三[くまもとけんそう] - 広島市安芸区
熊本けんそう 24年の経験を活かして 故郷に恩返し

「トライ」市議会だより 【平成26年1月発行】 No.65

明るい美しい国日本
平成・明和を政治の中心として

~郷土のお役に立たせて頂くために~

 

 新しい年を迎えさせていただきましたことを、皆様とともにお喜び申し上げます。

 また、これまで頂戴しています温かい御支援に対しまして、心から感謝申し上げます。

 顧みますと、昨年は5月に出雲大社(島根県)の「平成の大遷宮」、10月に伊勢神宮(三重県)の「式年遷宮」が行われました。出雲大社では60年に一度、伊勢神宮では20年に一度行われる遷宮ですが、いずれも1,300年以上にわたって伝統や技術が厳しく守られ、「常若(とこわか)の精神」を象徴する特別な神事であると言われています。いつの世でも「変わらないもの」また「変わってはいけないもの」があります。累代の祖先が大切に伝え繋いできたように、私たちも未来に生かされる子孫の幸せのために、歴史の大きな節目となる遷宮を繋いでいきたいと思います。かつて私は恩師から「静止があるからこそ、動きがある。目に見えないものを知っているから、目に見えるもののよさがわかる」ということを教わりました。古来より、日本には神様は五官で感じるものという思想がありますが、目に見えないものを敬い感謝する日本人の心は、神と向き合う特別な神事(遷宮)において、未来に生かされる子孫に末長く引き継がれていくことと思います。

 さて、地震、津波、原子力災害という複合的な災難をもたらした東日本大震災の発生から2年10カ月になります。福島第一原子力発電所に近い汚染廃棄物対策地域に指定された六市町のがれき(推計で約47万トン)を除き、岩手県、宮城県、福島県の震災がれきは、昨年10月末時点で、不燃物や木くずなどの「災害廃棄物」は全体の89%、津波で運ばれた土砂などの「津波堆積物」は77%の処理が終了し、岩手県と宮城県のがれきは今年3月末までに全ての処理が完了する見通しとなっています。一方、福島県のがれき処理は原発事故で立ち入りが制限されている区域を中心に作業が遅れ、終了時期の見通しは立っていません。また、福島県では原発事故により放射線量の高い地域があることから、現在でも約14万人の方々が避難生活を余儀なくされています。放射性物質の科学的な知見を踏まえ、住民の皆様が生活再建を進めることができるよう早期帰還等に向けて道筋をつけることは政府の重大な責務です。被災地の復興なくして日本の再生はありません。

 また、今の日本に必要なことは財政再建と経済成長の両立です。我が国の債務残高(借入金)は今や1,000兆円を超えており、また高齢化の進展などに伴い現行の社会保障制度をこのまま続ければ自動的に毎年1兆円規模で必要な予算が膨らんでいきます。このため、昨年の10月、安倍内閣は安定的な社会保障財源の確保を目的に、消費税の税率を今年4月に8%に引き上げることを決定しました。併せて、デフレからの脱却はいまだ道半ばであることから、増税による景気の腰折れを避けるため、5兆円余りの国費を盛り込んだ経済対策を決定しました。「経済」という語は、明治時代、「経世済民」(世をよく治め、民の苦しみを救うこと)という語を縮めてできた言葉ですが、政府は政策を総動員し、所得の上昇や雇用拡大に繋がるような「経済の好循環」を実現していかなければなりません。

 昨年は『美しい国日本』の象徴である「富士山」の世界文化遺産登録や2020年オリンピックの東京開催決定に、日本中が歓喜に沸きました。富士山について、作家の深田久弥氏は著書『日本百名山』の中で次のように書いています。

 「日本人は子供の時から富士の歌をうたい、富士の絵を描いて育つ。自分の土地の一番形のいい山を指して何々富士と名づける。最も美しいもの、最も気高いもの、最も神聖なものの普遍的な典型として、いつも挙げられるのは不二の高根であった。」

 昨年12月、サッカーのJ1リーグで、サンフレッチェ広島が2年連続2度目の優勝を果たし、私たちは大変元気づけられました。チーム一丸となって、最後の最後まで諦めず勝利を勝ち取った選手の皆さんに、心から敬意を表します。『終りは始まり』です。リーグ3連覇の偉業達成に向けて、皆様とともに熱い声援を送り続けていきたいと思います。

 昨年12月、広島市と長崎市の市長はケネディ駐日大使と面会し、核兵器のない世界の実現に向け、オバマ大統領の被爆地訪問を要請するとともに、ケネディ大使の広島訪問も求めました。今回、議長に代わり私も同行しましたが、ケネディ大使から自らの広島訪問について前向きに検討する旨の説明がありました。

「米国大使館提供」
キャロライン・ケネディ大使訪問 【駐日アメリカ合衆国大使館】

 「内平らかに外成る」、これは「平成」の元号に込められた願いです。「社会が明るくなった、幸せな平和がやってきた」と喜びの輪が広がるように、これからも元気な広島市づくりに取り組んで参ります。皆様のご指導ご支援をよろしくお願いいたします。

 最後に、今年一年が、皆様にとって明るい年となりますことを心からお祈り申し上げまして、年頭のご挨拶とさせていただきます。

広島市議会副議長 熊本憲三